2002/11
遺伝子組換食品とCAT
GeneticallyModifiedFoodsatCAT

これと言った注意喚起や情報提供のないままに遺伝子組換食品は店舗や生活の中に蔓延し、今や英国ではあらゆる食料品に含まれる様になっている。

マスコミで取り上げられ、抗議活動や法改正が起こった事により、食の安全はようやく人々の注目する所となった。一般から寄せられる質問や意見を受けて、CATでは会員向季刊誌に於て以下の様な見解を提示している。

…解り易くて正しい品質表示がなければ、人々に遺伝子組換食品を受け入れる事も拒否する事もできない。現在の品質表示は大方の消費者にとって解り易いものとは言えない。

1)有機自然食品の選択

真正の有機自然食品は遺伝子組換製品を含んでおらず、その旨を明確に表示している。その他にも、有機自然食品は、身体の健康、生態系の維持、地球環境の保全と言った問題に効用を示す。有機農法の生産者は、自然の生態系に適合した技術を常に研究しながら雑草や疫病を抑え、野菜や畜産品を供給している。そうした努力によって、有機自然食品でも、エコロジカルでサステーナブルと言う価値を維持したまま商業的に成長し得るのである。その為に人工化学肥料や殺虫剤の使用する必要はない。確かに、その様な方法を用いれば3倍、4倍の収穫を得る事ができるかも知れない。しかし、有機農法は、安全と栄養を供給し、更に未来の世代により良い環境を遺すのである。

2)正しい選択眼を持つ事、或いはベジタリアンへの道

1999年8月1日以降、ベジタリアン協会の認定食品('V'印を表示)は、遺伝子組換レンネットを使用したベジタリアンチーズを除き、遺伝子組換製品を一切使用していない。

有機自然食品のメーカーや販売店を選び、ファストフードや極端に安価な製品は避ける事。ウェブサイトなどを通じて企業が発する遺伝子組換製品に関する態度を調べる事も有意義である。そして、常に商品の原材料表示を確認すべきである。その際、次の素材は遺伝子組換製品である場合があるので注意が必要である。
  • 大豆及びその加工品は極めて多くの食品に、油、粉末、レシチン、大豆蛋白などの形で含まれる(例:パン、ビスケット、乳児用ミルク、シリアル、マーガリン、スープ、パスタ、ピザ、各種即席食品、肉製品、粉、甘味料、アイスクリーム、ポテトチップ、チョコレート、醤油、挽肉食品、豆腐、豆乳、ペットフード)。
  • トウモロコシ及びその加工品は多くの食品に、トウモロコシそのもの、コーンスターチ、粉末、コーンシロップなどの形で含まれる(例:各種即席食品、スープ、ソース、カレー、ホットケーキミックス、ポテトチップ、スナック菓子、ガム)。
  • 酵素(レンネット、アミラーゼ、ペプシンなど)は食品加工のあらゆる場面で使われる(例:ベビーフード)。
  • 遺伝子組換製品が使われている国の多くの加工品:綿花(綿実油)、乳酸菌(ヨーグルト、チーズ)、菜種油、イースト(パン、醸造製品)、ビタミン(E、C)、畜産品、煙草、トマト、芋、林檎、胡桃、茄子、及びこれらの加工品。例えば、英国ではトマトピューレとケチャップに遺伝子組換製品が原料として使われている。

3)自分で作る

自宅で作る食品は工業製品に比べて健康面に優れ、自らの好みと判断で調整できる。もし、素材となる野菜を有機種子から家庭菜園で栽培できるなら、その効果は絶大である。オーガニックガーデニング、パーマカルチャー、林間ガーデニング、貸農園などの情報を得る為にCATを活用されたい。

4)知は力

生存の為の最大の武器は知恵である。自分にとって最も重要な問題は自分で見出し、正しい情報の下に正しい対処をしなければならない。出版物やウェブサイトを通じた情報収集を怠ってはならない。幾つかの団体が企業の遺伝子組換製品への対応をリスト化して公表している。
「クリーンスレート」1999年春号通巻32号

CATは、個人、法人の双方にサステーナブルな生活様式を提案する公益法人である。CATは自ら使命として任じる「啓発、情報提供、行動支援」と言うテーマの下に、技術の展示のみならず、研修活動、情報提供、異分野交流などの事業を展開している。

遺伝子組換製品に関するより詳細な情報や、他のCATの事業に関する情報を得る為、このウェブサイトを活用し、そして直接の来訪、問い合わせも試みられたい。


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